牡蠣の魅力について│「海のミルク」、牡蠣は栄養満点の食材

「海のミルク」、牡蠣は栄養満点の食材

牡蠣のほとんどは内臓です。そこにはビタミン類などの豊富な栄養素がバランスよく含まれています。栄養豊富な牡蠣の効果効能についてご紹介します。

 

牡蠣に含まれる栄養

【牡蠣可食部100gあたり】

エネルギー…70

水分…85.0

たんぱく質…6.9

脂質…2.2g

炭水化物…4.9

ナトリウム…460

カルシウム…84

マグネシウム…65

リン…100

鉄…2.1

亜鉛…14.5

銅…1.04

ビタミンA…24

ビタミンB1…0.07

ビタミンB2…0.14

ビタミンB12…23.1

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

・肝機能を高める!タウリン

タウリンはアミノ酸の一種です。肝機能を高める効果や血液中のコレステロール、中性脂肪を減らす効果、動脈硬化や心疾患の予防、視力の回復などに効果が期待できます。牡蠣以外にもサザエ、イカやタコなどにも多く含まれています。水溶性の栄養素なので、煮汁も一緒に食べることができる料理にすると効率的に摂取できます。

 

・脳の活動源になる!グリコーゲン

グリコーゲンとは牡蠣やえびなどに含まれている多糖類のことです。体内で分解されるとブドウ糖になり、脳や筋肉の活動エネルギーになります。グリコーゲンの含有量は夏に比べて旬の冬は約10倍にもなります。

 

・味覚を正常に保つ!亜鉛

亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、美しい肌や髪を保つためにも欠かせない栄養素です。また、インスリンや性ホルモンの合成にも関わっています。さらに、亜鉛は舌の表面の味蕾にある味を感じる細胞を作る働きがあり、不足すると味覚異常の原因になります。

 

・貧血予防に効果的!鉄

鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。

 

・貧血予防に効果的!銅

銅は鉄の吸収を助ける働きや赤血球のヘモグロビンの合成を助ける働きがあり、貧血予防に欠かせないミネラルです。また、活性酸素を除去するための酵素を作り、血管を健康に保つ働きもあります。肉や魚介類に豊富で、野菜や穀類にも含まれているため通常の食生活では不足する心配はありません。しかし、ビタミンCや亜鉛を大量に摂取すると銅の吸収を妨げる原因となるので、これらのサプリメントを飲んでいる場合は注意が必用です。

 

・貧血の予防に!ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球を作り貧血の予防に効果的です。また、傷ついた神経細胞を修復する効果があり、手足のしびれなどにも効果が期待できます。

 

・低カロリー・低脂肪でヘルシー

牡蠣は、1個あたり約12kcalと低カロリー(真牡蠣むき身/生食/120gとした場合)です。肉や魚に比べると脂質も少なめなので、ダイエット中の人も気軽に食べられる食材です。

 

・良質なタンパク質がたっぷり

牡蠣に含まれるタンパク質は、多種類のアミノ酸でバランスよく構成された良質なものです。食事から摂取する必要のある9種類の必須アミノ酸がすべて含まれているので、体内でタンパク質を効率的に合成することができます。

 

女性にも男性にも、牡蠣の美容効果

 

美肌効果に有効な亜鉛とタウリンが豊富

カキに多く含まれる「亜鉛」は新陳代謝を活発にしてくれます。

新陳代謝が活発になるということは、肌の細胞の再生も早くなりますので、常にハリのあるキレイな肌を維持することができます。また、亜鉛には、シミの元となるメラニン色素の代謝を促す働きもありますのでシミ、そばかすの解消にも役立ちます。

更に、タウリンには硫黄が含まれているので、温泉に含まれている硫黄が、肌を洗浄して張りを持たせるのと同様、美肌効果に大変有効です。

 

メンズ美容にも嬉しい亜鉛の効果

男性によく聞かれる抜け毛や薄毛、生殖機能の悩みには、牡蠣に含まれる亜鉛が効果的です。

牡蠣に含まれる亜鉛は、男性ホルモンの一種であるテストステロンを増幅させてくれる効果があります。テストステロンは男性らしい体つきや精力を維持するために必要な栄養素ですが、年齢を重ねるにつれ分泌量が減少していくので、意識して摂取するとよいでしょう。

他には、アルコールの代謝にも亜鉛が利用されます。アルコール摂取の機会が多い男性は亜鉛不足に陥りやすいので、ぜひ意識的に牡蠣を食べてください。

お酒を飲むときに牡蠣を一緒に食べれば、肝酵素が活性化されて、二日酔いや悪酔いを防止できます。

 

「生食用」と「加熱用」の違いは鮮度の差ではありません

スーパーや魚屋さんに並んでいる牡蠣には、「生食用」と「加熱用」があるのをご存知ですか?

この2つの区別は獲れた海域の違いによるもので、保健所などが指定する、ウイルスや菌の少ない海域で獲れたものが「生食用」、それ以外の海域で獲れたものが「加熱用」として出荷されています。

「生食用」の牡蠣にとって怖いのは、ノロウイルスや食中毒菌に汚染されることです。そのため、雑排水が流れ込む川の河口から離れた汚染のリスクが低いエリアなどが指定海域に定められています。

 

生食用は23日かけて浄化する

「生食用」の牡蠣は採取後に浄化という工程が必要です。

牡蠣は1時間に20Lの海水を吸入・排出する性質を利用して体の中をきれいにします。

紫外線を照射するなどして無菌化した海水に23日漬けておく必要があります。

 

「加熱用」のほうが太って美味しい?

一方、指定海域外で養殖している「加熱用」の牡蠣は、一般的に栄養分が多い河口近くで養殖されているうえに、浄化する必要がありません。

そのため、加熱用の牡蠣のほうが太っていて味も濃いといわれることがあります。

しかし、あくまで加熱用ですので、生では絶対に食べないで下さい。

独特な“のどごし”を楽しむのであれば「生食用」、鍋やカキフライにするなら「加熱用」と、調理に合わせて牡蠣を選んでください。

 

 

牡蠣はトレーニング後のサプリメント

筋トレしている人にも牡蠣がおすすめです。

牡蠣には、タウリンやグリコーゲンが多く含まれるため、筋トレ後の食事に最適な食材です。

エネルギーを素早く体内に吸収し、疲労回復の効果があります。

また、亜鉛や鉄分も多く含まれるため、発汗で失ったミネラル分も補給できます。

牡蠣に含まれるビタミン・ミネラル類がたんぱく質の合成や糖質の代謝を手助けしてくれるため、積極的に摂取することをおすすめします。

 

トレービングにぴったりの牡蠣の栄養成分

・タウリン

タウリンはアミノ酸の一種です。

牡蠣には100gあたり1,130mgものタウリンが含まれています。

肝機能を高め、乳酸の増加を防ぎ、スタミナ増加、疲労回復に効果があります。

 

・グリコーゲン

牡蠣に含まれる糖質の50%以上がグリコーゲンです。

摂取後直ちに体内に吸収され、筋肉や肝臓などに貯蔵され、必要に応じて即効性のエネルギーとなります。スタミナ維持に役立つ効率の良い栄養素です。

 

・亜鉛

亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育に欠かすことのできない必須ミネラルです。

牡蠣には100gあたり14.5mgもの亜鉛が含まれます。

亜鉛は運動量が増加すると汗と一緒に体外へ流出したり、体内消費量も増加するため、スポーツを行う方にとっては不足しないように気を付けたい栄養素の一つです。

 

・ビタミンB

ビタミンB群はエネルギーを作るのに欠かせない栄養素です。

B1は糖質の代謝を、B2は脂質の代謝を、B6はたんぱく質の代謝を手助けしてくれます。

 

トレーニング後の食事が大切

トレーニング後は、消費したたんぱく質と糖質を補う必要があります。

トレーニング後の体は、貯蔵されていたエネルギーがなくなり、使われた筋肉の細胞も傷ついた状態になります。トレーニング後に栄養補給することで補給した栄養素から筋肉の合成に使われるので、筋肉の分解をとめることができます。

また、グリコーゲンの貯蔵を速やかに行うことで疲労回復にも牡蠣を摂取するのがおすすめです。

トレーニング後の食事にぜひ、牡蠣を取り入れてみてください。

 

亜鉛不足に心当たりはありませんか?

亜鉛は、DNAやタンパク質の合成に働き、細胞の新生を促します。

亜鉛が不足すると、細胞分裂がはかどらず、成長障害、爪や皮膚の異常、脱毛、免疫力の低下、味覚障害などを引き起こします。

とくに、成人では、皮膚、爪、髪の毛、腸粘膜など「新陳代謝が活発な器官」ほど、亜鉛不足の影響を受けやすいのです。

 

男性が亜鉛不足に陥りやすい理由

・アルコールの摂取

アルコールの代謝に亜鉛が利用されるため、アルコール摂取の機会が多い方は亜鉛不足に陥りやすいといえます。また、アルコールは尿中への亜鉛の排泄を促すはたらきもあります。

 

・加工食品(コンビニ食)

加工食品に含まれるポリリン酸ナトリウム(リン酸塩)などは亜鉛の吸収を阻害します。元々、亜鉛の吸収率は約30%と低めであるのに、さらに低下してしまうので気をつける必要があります。多忙でもコンビニに頼りすぎないようにしましょう。

 

・糖質過多の生活

亜鉛はインスリンの材料になります。そのため、糖質の摂取により過剰にインスリンが出ると、亜鉛が不足に陥りやすくなります。炭水化物に偏った食事を好む男性は要注意です。

 

・食事での亜鉛の摂取不足

令和元年国民健康栄養調査によると、男性は成長期の12歳ころからすでに亜鉛取得量が推奨量を満たしておらず、女性よりも不足している傾向があります。意識して食事で亜鉛を摂取する必要があります。

 

牡蠣には亜鉛が豊富に含まれています

牡蠣には100gあたり14.5mgもの亜鉛が含まれます。

男性によく聞かれる抜け毛や薄毛、生殖機能の悩みにも、牡蠣に含まれる亜鉛が効果的です。

年齢を重ねるにつれ分泌量が減少していくので、意識して摂取するとよいでしょう。

亜鉛不足解消に、ぜひ食生活に牡蠣を取り入れてみてください。